75歳 現役編集者の “徒然なる我儘に”

じゃこめてい出版の最年長編集者が手掛けた書籍の紹介と思い出の日々を綴る。人生の編集日記。

「見上げてごらん夜の星を」その1

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 誰でも知っている坂本九のこの歌は星空を見上げる歌としては 鉄板の存在ですが、

この季節、夜空を見上げると、後期高齢者として思わず口ずさんでしまうのはこの歌

ではなく「冬の星座」です。「?」という方に歌詞をご紹介します。こんな歌です。そ

らんじていて口ずさめる方はほぼ私と同世代の方かも。

 

 「冬の星座」

         堀内敬三作詞 ヘイス作曲

 木枯らし途絶えて さゆる空より

 地上にふりしく 奇すしき光よ

 ものみないこえる しじまより

 きらめき揺れつつ星座はめぐる

 

 ほのぼの明かりて 流るる銀河

 オリオン舞い立ち すばるはさざめく

 無窮を指さす北斗のもとに

 きらめき揺れつつ星座はめぐる

 

 この歌の通り、子どものころ凍えるような冬の夜空を見上げオリオン座の三つ星を

探したり、北斗七星をたどって北極星を探したことを思い出します。

 「さゆる空」「くすしき光」「しじま」「すばるはさざめく」「無窮を指さす」

等など文語調の歌詞は意味がわからなくても、子ども心に広大な宇宙の神秘に触れる

感じがしてワクワクしました。ネットでこの歌詞の一字一句を懇切丁寧に現代語に訳

しているサイトがありました。辞書を引かなくても、人にきかなくてもネット検索で

瞬時にして解ってしまう時代なのを喜ぶべきか、憂うべきか。個人的にはおおいに利

用していますが。

 

 クリスマスの街のイルミネーションも素敵ですが、ちょっと立ち止まって夜空を見

上げてみると、「冬の星座」そのまま、なんと豪華な冬の夜空(のハズですが都会では

見られないかも)!

 冬の大三角と称されるオリオン座の一等星ベデルギウス、おおいぬ座シリウス

こいぬ座プロキオン、などなど有名星がずらり勢揃い(のハズ)。

 どの星がなんという名前かわからなくても、もしかしたら街の灯りが明るすぎて、

しかもビルの陰に隠れてしまってあまりみえなくても、見上げてみませんか。想像力

をめぐらして夜空を眺めているだけで、ワクワクしてきます。

 

 「星めぐり歳時記」(海部宣男著)をひらいてみると冬の大三角、載っていました。

 

 

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 冬の星空散歩で見つけられるたくさんの耀く星。

 星のことを知れば知るほどもっとワクワクします。

 誕生星座をみつけることもできます。

 

 小学校のころの一番の思い出の星は、オリオンの三つ星。冬の寒い夕方、兄と二人

で帰りの遅い父を、最寄り駅下北沢まで迎えに行くことがよくありました。途中、空

を見上げると三つの星が木立の上にかかっていました。母を早く亡くし父子家庭だっ

たため、その三つの星が父と兄と私のようにも思え、見つけるとなんだかホッとし凍

えていた身体があたたかくなるような気がしました。

 この三つ星が巨人オリオンのベルトに列んだ星ということを知ったのは大きくなっ

てからです。

 

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 昭和20年代は戦後10年経つか経たないその頃は東京でも天の川を見ることができま

した。星の名前を知らなくても夕暮れになると「一番星見つけた」と歌い、北斗七星

を柄杓の形に星をたどって北極星を探したり……高層ビルで空がおおわれることもなく、

夜空はほんとうに星々で耀いていて、しかもとても身近にあったような気がします。