引越疲れを癒してくれたゴールドベルク
猛暑の夏、やむない引っ越しさわぎで、後期高齢者としては寄る年波をいたいほど実感する毎日です。足が重い、腰が痛む、背が曲がる、すべての物が1割増ぐらい重く感じる……暑い、だるい、つらい、眠い、からだ全身がこどものようにダダをこねる……
そんな日が続くある夜、まだあけていない段ボールに囲まれたリビングでたまたま手許にあったグレン・グールドのゴールドベルクのCDをかけみると…。
まるで金のしずくが落ちてくるようなあの冒頭のピアノ、その音のしづくの一つ一つが胸にすーっと落ちてきました。
忘れてかけていたこの音! 音の連なり、つづれ織りのような美しい音の流れ。疲れきった体が、音の流れのままのまま誘われ、至福の時をたゆたっている。
心身とも潤い充たされ蘇生するような感じ。こんなに快い音空間があったことを忘れていた。音楽に癒されるということがこんなにもリアルに感じられるとは…。
疲れがほぐれていく感じ、あ、いいなこんな音空間。時間さえあればずっと浸っていたい。そんなひとときでした。
疲れをほぐすには、好きな音楽を聴くのが一番効果的だと云うが解ったので、次はシューベルト? それとも森進一!? とうれしく迷うわたしです。