75歳 現役編集者の “徒然なる我儘に”

じゃこめてい出版の最年長編集者が手掛けた書籍の紹介と思い出の日々を綴る。人生の編集日記。

引越疲れを癒してくれたゴールドベルク

 猛暑の夏、やむない引っ越しさわぎで、後期高齢者としては寄る年波をいたいほど実感する毎日です。足が重い、腰が痛む、背が曲がる、すべての物が1割増ぐらい重く感じる……暑い、だるい、つらい、眠い、からだ全身がこどものようにダダをこねる……   

 そんな日が続くある夜、まだあけていない段ボールに囲まれたリビングでたまたま手許にあったグレン・グールドのゴールドベルクのCDをかけみると…。

 まるで金のしずくが落ちてくるようなあの冒頭のピアノ、その音のしづくの一つ一つが胸にすーっと落ちてきました。

 忘れてかけていたこの音! 音の連なり、つづれ織りのような美しい音の流れ。疲れきった体が、音の流れのままのまま誘われ、至福の時をたゆたっている。

心身とも潤い充たされ蘇生するような感じ。こんなに快い音空間があったことを忘れていた。音楽に癒されるということがこんなにもリアルに感じられるとは…。 

 疲れがほぐれていく感じ、あ、いいなこんな音空間。時間さえあればずっと浸っていたい。そんなひとときでした。

 疲れをほぐすには、好きな音楽を聴くのが一番効果的だと云うが解ったので、次はシューベルト? それとも森進一!? とうれしく迷うわたしです。