80歳 現役編集者の “徒然なる我儘に”

じゃこめてい出版の最年長編集者が手掛けた書籍の紹介と思い出の日々を綴る。人生の編集日記。

ついに決行! シモキタ散歩4 リハビリ療法士さんはお煎餅仲間だった⁉

「シモキタ散歩」後日談になりますが、このお煎餅を下北沢に行ってきました、と療法士さんに報告を兼ねてさしあげたところ、 「わたし大好きなんです塩煎餅!」と目を輝かせて喜んでもらえました。 そして、「すごいですね、よく歩けましたね、本当におめで…

ついに決行!シモキタ散歩3 お煎餅屋さんで「小丸」に出会う

シモキタに続く細い道をたどりなんとか繁華な通りに出ることができたとたん、緊張がほぐれたのか急に足取りと気持ちが重く感じられ、とりあえず美味しそうなケーキのメニューが目にはいったカフェで一休みすることに。 心配性のわたし、こんな調子で大丈夫か…

ついに決行!シモキタ散歩2 「そして、ドンリュウさんも」

「シモキタ散歩」はスタート地点から、ちょっとがっかりが続いてしまいました。 でも気をとりなおし、手作りの地図を片手に(持っていたのは私ではありませんが)足元もおぼつかぬまま、 おそるおそる井の頭通りを渡って,下北沢に続く狭い道に入り、一路目…

ついに決行! シモキタ散歩1 「スイドードーロって?」

夕暮れて父の降り立つ駅舎までひた走りゆくオリオンの道 桜も満開となった三月も終わるころ、念願のシモキタ・リハリビ散歩に行ってきました! 「シモキタ」といえば、今は知らない人はいないくらい、あまりにも有名な若者の街になってしまいましたが、私に…

秋晴れの空の下

霊峰は真白き冠を戴て高圧鉄塔により沿ひ浮ぶ 目のさめるような秋晴れの空の下、雪をかぶった富士山がくっきりと見えた日があり、読んだ歌です。 「富士山が見えるよ」とおもわずいるはずのない夫によびかけて、 「そうか、もういないんだ」とつぶやく。そん…

リハビリは難行苦行 パート3 秋日和リハビリ散歩

秋日和金木犀の匂い満ついつか来た道夫(つま)と連れ立ち 暦の上では、そろそろ秋も深まりという今日この頃のはずでしたが、台風(と真夏日)が毎週のようにやってきて、秋晴れの行楽シーズンが、毎日天気予報と空を睨めっこという方が、多かったのではと思…

リハビリは難行苦行? パート2 

リハビリは難行苦行といふ吾に「頑張りましょう」と事もなげなる パーキンソンと病名が診断されて2ヶ月半。 今は、なにもかもができなくなっていくような不安感も薄れ、薬と週二回のリハビリ、そして「大丈夫ですよ」「もう少しです」「がんばって」というよ…

リハビリは難行苦行?パートⅠ

散歩中ころんで鼻血を大量に出したのは、3ヶ月前のことです。 その後歩行がスムーズにいかないなど、体調が急激に悪くなり医者に行ったところ、MRI 検査を受けることとなり(この検査、真っ暗な洞窟に入られたようで怖くて15分間目を瞑ったままでした)その…

だあれもいない一本道

浮かび来るふるさとはいつも夕焼け だあれもいない一本道が続く 戦争(とは第二次世界大戦のこと。歳がわかってしまいますね)中疎開していた母の実家の村から街へと続く其の一本道は、1日2回土ぼこりを立ててバスが通るだけ。 母は終戦の次の年にその地で亡…

ハイジのミルク

目覚めれば虹色の風になぶられて今朝のハイジのミルクのにほひ ハイジといえば誰もが思い浮かべるのがテレビアニメの「アルプスの少女」。あの冒頭のホルン(?)の後に続く陽気なヨーデル、おなじみの軽快なメロディ乗せて歌われる歌と共に大空に向かってブラ…

★ハーさんは負けず嫌い  ウチのちりつもばあちゃん その2

夫が小学生だったころのこと。 母であるうちのちりつもばあちゃんことハーさんは、 一学期の級長になれないと「どげしたことかいねえ」 玄関先の土間に転がってくやしがったそうです。 またたとえ病気であっても学校を休むことを許さず( ハーさんの姉妹は…

鬼も内、福も内

「鬼は〜そと、福は〜うち、」 のかけ声とともに豆で追われる節分のオニたち。 今年の節分は2月3日ですね。 ところで全国で豆に追われたたくさんの鬼たちはいったいどこへ行くのでしょう? 鬼難民の受け入れ先ははたしてあるのか? 「地獄? おうち? いやいや…

新年星空散歩

新しい年を迎えたと思う間もなく、大寒もすぎ、やがて立春と暦は容赦なくめくられていきます。一年で最も美しく見えるといわれる星空を仰ぎ見ることもないまま。そんなとき、弊社刊「星めぐり歳時記」がお役立ちです。 ページを繰るごとに息を呑む星のカラー…

海部宣男氏を悼む

冬木立科学者として生きにけり 海部宣男 と、詠まれたのは、すい臓癌でこの4月13日に亡くなられた国際的天文学者の海部宣男氏享年75歳です。 冒頭の俳句は2019年の作なので今年の1、2月ごろ作られた句だと思います。「科学者として生きにけり」といいきら…

「ボーッと生きてんじゃねーよ!」  チコちゃんに叱られる?

数年前、国策としてテレビがデジタル化されてテレビを買い換えざるを得なくなっ たとき、テレビを運んできた業者からリモコンの使い方を説明されたのですが、その 説明が早すぎてよくわからず聞き返すと 「色々動かしていればそのうちにわかるようになります…

涙したのはどの「落葉」?

もう何10年も前のことですが、絵を見ていて涙が溢れこまったことがありました。 菱田春草の回顧展を見に行った時、展示されていたあの有名な「落葉」を眺めていたらふぁーっと涙が出てきたのです。 静寂の中で音もなく佇む杉木立の絵を見ているうちに名状し…

うちのちりつもばあちゃん その3

引越しでヒョッコリ出て来たハーさんの手作り健康サプリ「弾丸」レシピと手書きの生け花ノート 引越でいろいろなものがひょっこりでてきましたが、うちのちりつもばあちゃんこと姑のハーさんがニンニクでつくった自家製ニンニク健康サプリ「弾丸」の巻紙状に…

引越疲れを癒してくれたゴールドベルク

猛暑の夏、やむない引っ越しさわぎで、後期高齢者としては寄る年波をいたいほど実感する毎日です。足が重い、腰が痛む、背が曲がる、すべての物が1割増ぐらい重く感じる……暑い、だるい、つらい、眠い、からだ全身がこどものようにダダをこねる…… そんな日が…

「シモキタ」と「下北沢」とシューベルト

今は、本多劇場など演劇の街として、ライブハウス、古着屋さんなど、昭和の香りが残る独特な若者文化発祥の地としても有る名なシモキタこと下北沢。 今は全国区の街ですが昭和二十年代、自宅から歩いて15 分ぐらいの街だったということもあり、小学生から中…

見上げてごらん夜の星を その2

見上げてごらん夜の星を 其の2 この本は美容院から生まれました。 というのは、いきつけの美容院に置いてあった分厚い婦人雑誌をみるともなくめくっ ていたときのこと。思わず「これはいったい何?」と、ページをめくる手がとまりました。「星とことば」と…

「見上げてごらん夜の星を」その1

誰でも知っている坂本九のこの歌は星空を見上げる歌としては 鉄板の存在ですが、 この季節、夜空を見上げると、後期高齢者として思わず口ずさんでしまうのはこの歌 ではなく「冬の星座」です。「?」という方に歌詞をご紹介します。こんな歌です。そ らんじ…

「死」とポエム

★「必死」の花々―遺されたことぱ99 野沢一馬/編著 「2045年には、平均 寿命が100歳に到達すると予測されている」そうです。寿命が 延びれは延びるほど死とどうむきあうべきか、考える時間もたっぷりある分なかなか 難しい。 105歳で亡くなられたあの日野原…

「ケンさん」と「ケンちゃん」

「この人生においては、よいものはけして失われるものではないのです」 草木原語の彩時記—凜と咲く 熊井明子/著 「この人生においては、よいものはけして失われるものではないのです」 この一節は、「凜と咲く」に「相思相愛の花」として紹介されているポリ…

ウチのちりつもばあちゃん その1

「ええがね、ええがね、こーでええがね」 本が出てからわかったことですが、「99歳ちりつもばあちゃんの幸せになるふりけ」のおばあちゃんと、わが家のおばあちゃんは誕生日が同じで、しかも亡くなった歳も同じ99歳。ビックリはこれだけではなく、同じように…

「正しいことばより、やさしいことば」

「あんな、年寄りはな やさしい言葉かけてほしいねん。正しい言葉はいらんねん。」 (『99歳 ちりつもばあちゃんの幸せになるふりかけ』より) いつのころからか、新聞の文字は読みにくくなり、いろいろなフタがあけにくくなり、靴下がはきにくくなり、歩幅…