鬼も内、福も内
「鬼は〜そと、福は〜うち、」
のかけ声とともに豆で追われる節分のオニたち。
今年の節分は2月3日ですね。
ところで全国で豆に追われたたくさんの鬼たちはいったいどこへ行くのでしょう?
鬼難民の受け入れ先ははたしてあるのか?
「地獄? おうち?
いやいやもしかしたら
群馬に向かっているかもしれないよ
だってここなら オニは内、福も内
なんだから」
ええっ! なんで群馬なの?
そうなんです。「都道府県別 にっぽんオニ図鑑」(山崎敬子/著)によれば群馬県藤岡市鬼石で2月に開催される「鬼恋節分祭」(おにこいせつぶんさい)では節分で追い出された全国の鬼たちを迎え入れようと「オニも内 福も内」といって豆をまくそうです。
おとなりの栃木県の「鬼怒川温泉鬼祭り」では、オニがお客さんを迎えてくれるとのこと。かけ声もやはり「福は内、オニも内」だそうです。
だいたい日本人にとってオニとは、ただ恐ろしいというより、子どもの頃から鬼ごっこをしたり、鬼瓦だったり、鬼の面を被って豆まきをしたりもっと身近でホットな存在でした。
ホットといえば今まさに話題沸騰中!のオニがいっぱいでてくる漫画「鬼滅の刃」。
私は残念ながらまだ読んでいないのですが、登場する鬼たちにはそれぞれ鬼になった理由があってそれが物語となり、読者に深い感動を呼び、つぎからつぎへと読み進む原動力となっているとのこと。
「日本には節分のオニも、春くるオニも、オニのような何かも、日本全国にはいろいろなオニがいます。」
といわれる山崎敬子先生の、民俗学の世界にはいるきっかけとなったのは、愛知県に700年前から伝えられている春のお祭りで出会った「榊鬼」(さかきおに)という來訪神だそうです。
「日本の春に訪れる神さまはオニの姿をしているのだ」
とおどろき、その後春くるオニを探して日本全国旅をされたとのこと。
そんな鬼たちを都道府県別に紹介したのが本書「にっぽんオニ図鑑」です。
あなたのお住まいの県のオニはどんなオニでしょう。
知りたい方は是非本書を開いてみて下さい。きっと思いがけないオニたちと出会えるにちがいありません。
「都道府県別 にっぽんオニ図鑑」
文 山崎敬子 絵 スズキテツコ
本体価格 1300円
全国書店、ネット書店でお求めいただけます。