75歳 現役編集者の “徒然なる我儘に”

じゃこめてい出版の最年長編集者が手掛けた書籍の紹介と思い出の日々を綴る。人生の編集日記。

見上げてごらん夜の星を その2

見上げてごらん夜の星を 其の2

 

 

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 この本は美容院から生まれました。

 というのは、いきつけの美容院に置いてあった分厚い婦人雑誌をみるともなくめくっ

ていたときのこと。思わず「これはいったい何?」と、ページをめくる手がとまりました。「星とことば」というようなタイトルの口絵の写真が「クリスマスのオーナメントも顔負け」と本書でも紹介されている、息をのむように美しい天体の画像。

 これが「星?」その時はじめて観たこの一角獣座で光る星の天体画像と紹介されているその写真にすっかり魅せられてしまったのです。

 その写真にそえられた天文詩歌にまつわるエッセイもとてもよくて、美容院の人にバックナンバーはありますか? と聞いてしまった程です。その執筆者が、著名な天文学者として知られる海部宣男氏でした。元国立天文台長であり、ハワイのすばる望遠鏡

創設者で初代代表であり、また国際天文連合学会会長として世界の天文学会を牽引されてきた天文学者です。素人にもわかる興味深い星の本をたくさん出されていて、私も何冊か読ませてもらっていました。

「こんなに美しい写真がいっぱい載った星の本をつくりたい」

そんな思いに突き動かされ、早速コンタクトをとり、本にすることを快諾してもらえたのです。

 そして、一年あまり後の七夕の日にめでたく「星めぐり歳時記」というタイトルで書店に並べることが出来ました。しかもその発売を記念して歌とピアノと海部先生のトークを交えた「星のコンサート」も開催という贅沢なおまけつきで。

 ところで美しい星の画像ですが、残念ながら夜空を見上げても肉眼でカラフルな画像が観ることができるわけではありません。人間の眼よりはるかに感度のよい「電子の目」で観て、コンピューターで「色づけ」するのだそうです。

興味を持たれた方は、詳細は本書P90を御覧ください。

 

★夜の地球

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 この画像は、人工衛星から見た夜の地球(合成)。同書のP4~P5に紹介されています。

 小さな日本列島が人工の光によって一際輝いてみえます。画像でみるかぎり夜の地球は金色の糸で刺繍したような世界地図を浮かび上がらせ、とても美しいのですが、この光は「地上から見上げると夜空を明るく染め上げる光でもある」と著者海部宣男

氏はのべています。

 つまり人間の生活が人工の光によって明るくなると、星空はその光によって見えにくくなってしまうというわけです。

 ということで、もっとよく星空を観たいという人々の願いに応えいろいろな試みが日本各地で始まっています。

 石垣島では2002年から毎年旧暦七夕の夜は全島灯りを消して、星空を満喫するという試みを恒例化、夏の風物詩として全国から観光客が訪れているとのことです。この試みに対しても海部氏は積極的に参加され、応援されているとうかがっています。

 

★美しい星空をまもるために、全国初鳥取で「星空保全条例」を可決したそうです。

 星の見えやすい県として環境省が行う星の見えやすさの調査で何度も全国1位になっている鳥取県は、知るぞ知る日本の美しい星が見られる自称「星取県」。 たしかに鳥取砂丘で見上げる星空は想像するだけでメルヘン! 素敵そう。

 その美しい星空をまもるために、照明の使い方などを規制する「星空保全条例」

が12月21日の鳥取県議会で可決。星空を守る目的に特化して条例は、全国でも初めてだそうです。

 サーチライトなど照明の使い方などを規制し、違反した場合罰金もあり、とくに美しい星空が見える地域では街灯の灯りが外にもれないような規制もあるとか。

 星空を守る目的に特化して都道府県レベルで規制を行う条例は全国でも初めてとのこと。条例は今年の4月1日に施行されるとのこと。

 鳥取県の平井知事は「全国初の条例になるが、来年すぐに特命チームをつくるなどして、しっかり県民に周知して運用していきたい」と話しているそうですが、どんな美しい星空が見られるのか楽しみです。

 

 

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宇宙吟遊 光とことば

「星めぐり歳時記」

海部宣男 著(本体1,500円)

 

 

#星めぐり歳時記